ArduinoでPicoのPIO機能を使う

今回は、以下の内容を説明します：

Arduino-Picoコアは自動的にpioasmを呼び出さないので、ヘッダーファイルを自分で生成する必要があります。
方法：
- CLIツールを使用する場合、コアにバンドルされたpioasmバイナリを探します（例：「/Library/Arduino15/packages/rp2040/tools/pioasm/1.1.2/pioasm」）。Windowsの場合、パスは「%LOCALAPPDATA%\Arduino15\packages\rp2040\tools\pioasm…」です。また、Wokwiのオンラインツールを使うこともできます。
コマンド例：

   pioasm -o c-sdk blink.pio blink.pio.h

スケッチのコードは以下のようになります：

#include "hardware/pio.h"
#include "blink.pio.h"

void setup() {
  PIO pio = pio0;
  uint offset = pio_add_program(pio, &blink_program); // SM0を選択
  uint sm = 0;
  blink_program_init(pio, sm, offset, 25); // LED接続ピン
}

void loop() {}

blink_program_init 関数がヘッダーでどのように定義されているかも紹介します。
その他のヒント：
- pioasmのコンパイル方法（ホスト内でまたはオンライン）。
- 頻繁に編集する場合、PlatformIOのextra_scriptやArduino CLIのpre-buildスクリプトで自動的にpioasmを実行できます。
- 手動で行う場合、static const uint16_t メソッドを使用することもできます。Adafruit RP2040 Arduinoコア（Earleではなく）を使用する場合、SDKが含まれていないことがあるので、コア開発者のパスを確認する必要があります。

Arduino RP2040用のpico coreは自動的にpioasmを実行しないため、ヘッダーの生成は手動で行う必要があります。

ツールとしては：

オプション1: Arduino coreに含まれているpioasmバイナリ。コマンド: pioasm -o c-sdk myprog.pio myprog.pio.h
オプション2: Wokwiオンラインのpioasm
オプション3: プレビルドスクリプトやカスタムビルド

手順：

.pioファイルの作成
pioasmを使ってヘッダーを生成
ヘッダーをスケッチフォルダーに配置
Arduinoスケッチを書く
hardware/pio.hとヘッダーをインクルード
ステートマシンを初期化

このようにして、メンテナンスや注意点にも触れつつ進めます。

思考時間: 1m 30s

Arduino環境で `.pio` を使う基本フロー

PIOアセンブリを書く まず SDK そのままの書式で myprog.pio を作成します。
pioasm で C++ ヘッダに変換する Arduino-Pico コア（Earle Philhower 版）には バイナリ版の pioasm が同梱されています。
```
# macOS/Linux の例
$HOME/Library/Arduino15/packages/rp2040/tools/pioasm/**<ver>**/pioasm \
    -o c-sdk myprog.pio myprog.pio.h

# Windows の例
"%LOCALAPPDATA%\\Arduino15\\packages\\rp2040\\tools\\pioasm\\<ver>\\pioasm.exe" ^
    -o c-sdk myprog.pio myprog.pio.h
```
-o c-sdk を指定すると Pico-SDK 互換の myprog.pio.h が生成され、 ─ const pio_program myprog_program ─ static inline void myprog_program_init(...) など一式が自動生成されます。(arduino-pico.readthedocs.io)
手元にツールが無い場合
- オンライン版 https://wokwi.com/tools/pioasm でも同じヘッダを生成できます。(wokwi.com)
- CLI のインストールが面倒な場合はここで編集中の .pio を貼り付けて download するだけです。

スケッチにヘッダを置き #include myprog.pio.h をスケッチフォルダにコピーし、Arduino 側では

#include "hardware/pio.h"
#include "myprog.pio.h"   // ②で生成したヘッダ

void setup() {
  PIO pio      = pio0;
  uint sm      = 0;                 // 使用するステートマシン
  uint offset  = pio_add_program(pio, &myprog_program);

  // pioasm が用意した初期化関数を呼ぶ
  myprog_program_init(pio, sm, offset, /*GPIO*/ 0 /*ほか必要な引数*/);
  pio_sm_set_enabled(pio, sm, true);
}

void loop() {}

Pico-SDK 関数 (pio_add_program, pio_sm_*) は Arduino-Pico コアにフル実装済みです。(GitHub)

運用のヒント

課題	代表的な解決策
編集のたびに pioasm を手で叩くのが面倒	Arduino-CLI なら `prebuild` スクリプト、PlatformIO なら `extra_script.py` で pioasm を自動実行できます。
PIO プログラムを 32 語以内に収めたい	pioasm は 33 語以上になるとエラー表示。分割ロードや２台目 PIO ブロックで回避できます。
ヘッダを使わずに埋め込みたい	`static const uint16_t prog[] = {0xe081, …};` を手書きすればビルドは通りますが、ラベル解決・config 生成を自前で行う必要があり保守が大変です。
Adafruit RP2040 コアを使う	SDK が最小構成なので `#include "hardware/pio.h"` が見つからない場合があります。Earle 版か wizio-pico へ切り替えると楽です。

まとめ

Arduino ではビルド時に自動で .pio → .h へ変換されないため、 事前に pioasm -o c-sdk（もしくは Wokwi Online）でヘッダを用意しておく。
生成ヘッダをスケッチに #include すれば Pico-SDK と同じ API で PIO を扱える。
量産する場合はビルドフックで自動生成するワークフローを整えると快適。

これで Arduino 環境でも公式 SDK と同じ手順で PIO を活用できます。

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運用のヒント

まとめ

Arduino環境で `.pio` を使う基本フロー